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「センセイの鞄」川上弘美

読んでいて、楽しくて、面白くて、とにかくよかった。 以前読んだ、「ニシノユキヒコの冒険」は、確かに面白く読んだが、何か違和感を感じた。「作り話」感が強いというか。 最初の、乾電池の章を読んだ時こそ、あ、また同じかなと一瞬感じたが、その次の章…

「猛スピードで母は」長嶋有

表題作ほか「サイドカーに犬」を収録した中編集。 どちらも主人公は小学生。 読んでて自分の小学生の頃を思い出した。 長嶋有の描く女性は、その在り方は認めたくないけど魅力的だ、と思う。 しかしこのタイトルはどうなのか。 あと表紙のイラスト。 読む気…

「家族写真」辻原登

短編集。特に「光線の感じ」という作品が良かった。光線=窓から差し込む陽射しの描写がところどころに挿入されていて、その光線が生み出す陰影や、熱のようなものが作品全体を支配している感じがした。 この人の作品は、人間誰もが持っていてある時突然顔を…

「熊の場所」舞城王太郎

表題作ほか2点収録の中篇集。 表題作「熊の場所」はとても面白かった。小学生が主人公の話しとしては、僕が今まで読んだ本の中ではベスト。 「バット男」については、読んでて友達に恋愛相談されたことを思い出していた。僕は結構真剣に冷静に考えてベスト…

『シルク』小椋冬美

りぼんマスコットコミックス。短編集。 年末にふらっと立ち寄ったブックオフで購入。105円。 もう20年くらい前の作品がこんなに安価で買えるのってある意味すごいな、と思う。 この中の、「砂漠の夜へどうぞ」という作品がとても好き。 主人公(高二・男)が…

『阿修羅ガール』舞城王太郎

初舞城作品。途中、ものすごい勢いで読み飛ばして読了。 「グルグル魔人」の心理描写が超恐い。マジで恐かった。 読み飛ばした僕が言うのも何だが、この作品は多くの大人たちに読んでもらいたいと思う。 長嶋有なんかもそうだが、自分と同世代の作家の作品に…

『ライン ③』西村しのぶ

先週のQCサークル大会参加賞で図書券もらったので、遅まきながら購入。発売は2年以上も前と知って驚いた。 僕にとって西村しのぶの漫画を読むことはとても幸せなことだ。 今回はトムくんと式神が可愛かったな。オレも式神飛ばしてー。 それから、リツコさん…

『境界』藤沢周

初藤沢周。内容はずばりタイトルそのままで、正気と狂気、現実と妄想の境界がよくわからなくなる、そんな物語。 とても楽しく読んだが、少し短すぎる気がした。もう少し展開してもいいような。 あと、○○を見て、XXの△△を連想する、とか、思い出す、とか、そ…

『私が語りはじめた彼は』三浦しをん

これも連作短編集。2話目まで読んで、『ニシノ・・・』のデジャヴ?と思ったら、そんなことなかった。 これもさくさく読んだので、面白かったのだと思う。でもなんか登場人物みなさんとてもクールでスマートなんですよ。その裏側にある熱いドロドロしたもの…

『ニシノユキヒコの恋と冒険』川上弘美

ニシノさんの恋の遍歴を女性の側から描いた連作短編集。 さくさくあっとゆーまに読み終えたので、まあ面白かったんだと思う。 以前に読んだ川上さんの作品は、なーんか近所のおばあさんの家に穴がある話しとか、ヒナガタ(?)を育てる話しとかの短編集で、…

『パラレル』長嶋有

前作『ジャージの二人』の続編と思って読んでたら、設定が微妙に違う、別の話しであることに途中で気が付いた。もっと早く気付くべきだった。 楽しめた。いや、楽しい、という表現はちょっと違うんだけど、とゆー感じ。 僕的には前作のほうが良かったかな。…

『逃避夢/焼け犬』藤谷文子

何年か前に、関西ローカルの深夜番組で『進め!アルチュン』(うろおぼえ)というのに藤谷さんは出演してて、かなり面白かった。 夕日がデユルリと沈む、とか、なかなかユニークな表現が多用されており、楽しめた。ストーリーはともかく。 ひとつ残念なのが…

『ジャージの二人』長嶋有

この人の作品は、『サイドカーに犬』とか、『猛スピードで母は』とか、僕的にはもう全然読む気のしないタイトルばかりなので読んだことがなかった。 で、初めて読んだ長嶋作品はとてもとても楽しめたのであった。 ストーリーは主に主人公とその父が軽井沢の…

『フラッシュフォワード』ロバートJソウヤー

ソウヤー作品4作め。前回読んだ『ターミナルエクスペリメント』よりは楽しめた。 いや、『ターミナル・・・』も面白かったのだが、擬似人格の性格付けとかそもそもの設定とかかなり無理があって、しかも「魂」に関するアイデアが活かしきれてないしでその辺…

『月魚』三浦しをん

初をしん。じゃなくてしをんか。古書の世界が舞台でこれはなかなか興味深かった。ストーリーも嫌いじゃない。でも同性愛チックなのは苦手だ。特に男同士の。自分の中に潜む何かが非常にこういうのに反応して警報鳴らしてパニックに陥ってるので楽しめない。…

『月魚』三浦しをん

昨日図書館にて借りる。表紙に“Shion Miura”って書いてて、「し・お・ん・・・、ん、しをん?!」 ・・・ずっと「をしん」と思ってた!! いまどきをしんって。ださいしどーしてもドラマのおしんを想像してまうしよくそんな名前にしたなー、とずっと思ってた。そ…

『あなたの人生の物語』テッド・チャン

これまた短編集。ジャンルはSF。なかなか面白かった。ストーリーはどれも独創的だしあまりSFSFしてなくてしかもサスペンス風でも活劇風でもない。特に良かったのは天使とか出てくる話で、時代的には現代だけど天国や地獄が実際に存在する世界が舞台となって…

『百合の心・黒髪その他の短編』 辻原登

これも短編集。最近短編集ばっか読んでる。1話目は好きな感じ。2話目に住んでる町の名前が出てきて驚いた。滅多にないことなので。3話目は子供たちが必死に逃げるお話で、最後あたりもう怖くて読むのがいやになったのが、最後フシギなことになってた。4…

『I'll』14巻 浅田弘幸

熱血青春バスケストーリー(コケティッシュなユーモアも満載)感動の最終巻!! マンガ読みながら泣きました。2回続けて読みました。2回目も更に泣けました。 僕は中学高校とバレーやってて、高校では副キャプテン(ってなんかカッコよくない?)とゆー身分であ…

「約束よ」辻原登

短編集。この人の作品って基本的にどうしようもない人達がなんかどんどんどうしようもない方向に進んでしまうような感じではあるが、ファンタジーがある。意外性もある。だから先が気になる。好き。