プラナリア

     

プラナリア (文春文庫)

プラナリア (文春文庫)

    
ある意味超リアルな小説だと思う。
      
愛している、とても大切な人に対しても、ときには「ウザい」とか「ダルい」とか思ったりしてしまうものだと思うわけです。そういう感情の動きがとてもリアルだな、と感じた。
       
表題作をはじめ、だいたいが後味のあまりよろしくない作品ばかりなのだけど、最後の居酒屋の店長が主人公の作品など、逆に終わりがすっきりしていて物足りなさを感じた。
    
あと「ネイキッド」ほか数編で、最後の2ページくらいでイッキに主人公の心理についていけなくなり、置いてけぼりをくらってしまったが、これはやはり男性女性の違いなのかなーと思ったりした。
      
初の山本文緒作品、なかなか面白かったけど、一冊でけっこうお腹いっぱいかな、という感じです。