わたしを離さないで

    

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

    
以前から気になっていた作品が文庫化されていたので購入。


カバーももっとかわいいイラストのものでした。


主人公キャシーの“わたし”視点で語られる、回想の物語。


なんてことない、でも郷愁を覚えるようなエピソードの積み重ねで、物語は進んでいく。


感想は?と聞かれると答えるのが難しいが、読んでいるあいだはとても楽しく(というと語弊があるが)読んでいたように思う。


生命倫理の在り方を問うことがテーマのようでいて、実はそれはあくまでもエッセンスなだけで、愛情、友情、死生観などが主題なのか、それとも人生における宿命や使命についての物語?うーん、なんだろう。


しかし記憶に残る作品であったことは確か。


ある意味SF的な物語設定や、中盤までの学園生活の、どこか靄のかかったような閉じた世界観は、なんとなく以前読んだジーン・ウルフケルベロス第五の首』の第一話と同じ雰囲気を感じた。
     
     

妻に奨める度 ★★☆☆☆*1


   

*1:どうでもいいが、今回よりウチの妻に奨めたいかどうかの度合いを5段階で表してみようと思う。