「泣かない女はいない」長嶋有

      

泣かない女はいない

泣かない女はいない

    
表題作ほか「センスなし」(プラスα)収録。

この「センスなし」は非常に良かった。10年以上も前の、高校時代の思い出のなかの光景と、今の自分のいる景色がなぜだかシンクロする感覚、読んでてグッとこみ上げる何かを感じました。

ところで日本ハムファイターズ(笑)。確かに声に出してみると可笑しさが漂いますね。他にも銀色のフニャフニャとか(笑)、そんなユーモアのセンスも絶妙で好きです。

ただ相変わらずタイトルのネーミングは、まさに「センスなし」だと僕は思うのですが。

例えば綿矢りさの「蹴りたい背中」なんて、すごいなと思います。もうこのタイトルを考えついた時点で何かの賞は確実にゲットしたようなものです。読んでませんが。

長嶋さんにもこのセンスがあれば、もうすごい人気作家になってるのではないでしょうか。いやもちろんすでに人気作家ではあると思いますが。

ところでこの人の作品では「ジャージの二人」が一番のお気に入りだ。
     

ジャージの二人

ジャージの二人

     
ヌルくて繊細で笑えてとても切ない。最高です。