メッセージ (6/21 追記)

原作も好きで上映を心待ちにしていた作品。
ところがオープニングとそれに続くUFO到着までのシーンのあと、なんだかテンポが悪いせいか信じられないことに少し寝てしまった(笑)。
しかしながら中盤以降は特にだれることもなく、原作を上手く膨らませつつ原作の持つ静謐なイメージを崩さない、素晴らしい出来の作品だったのではないかと思う。
いわゆる「泣かせる映画」というわけでは決して無いが、ラストはただただ涙が流れてきた。
(欲を言えばエイリアンの造形はもう少しイマジネーションを膨らませてほしかったけど…)
    
惜しむらくは下手に原作を知っているせいか、ちょっと変なかたちで解釈しながら観てしまったこと。そのため種明かしのシーンで混乱してしまい、最終的には理解したもののなんかすっきりしない気分。
そういう意味でも機会をつくってもう一度観賞したいと考えている。


※ 6/20 追記: 改めて原作を読みなおしたら、エイリアンの姿はかなり原作に忠実ですね。原作ではサイズ感は不明なのですが、かなり大きめにしたのは良かったんじゃないかと思います。



※ 6/21 追記: 上映が金曜日までだったので慌てて2回目の観賞に行ってきた(同じ映画を2回観るなんて滅多にない)。

前回なぜウトウトしてしまったのか謎に感じるほど前半もテンポの悪さは感じず、また映像に比重を置いてじっくり観賞ができ丁寧に作られた素晴らしい作品だと改めて実感。
ただ前回変な解釈をしてしまった原因でもあるプロット構成が、やはり違和感あるなと。まああくまでもエンタメ作品として考えた場合、この要素は入れ込まざるを得なかったのかもしれませんね。。

     

*以下、ネタバレ含む私の意見。(6/21 追記しました)
     


    

映画としてはこの話の肝でもある娘のエピソードについてのミスリードが、ちょっとやり過ぎな気がした。
僕は原作を読んでいたにもかかわらず(うろ覚えだったこともあり)娘の誕生と死が完全に過去のものだと認識してしまったので、種明かしのシーンも過去の娘とこれから生まれる娘の二人いる設定?とか混乱してしまった。
主人公がエイミー・アダムスというところも年齢的な部分で不自然さを感じた。しかもふっくら(というか中年太り?)してたし。
あと原作含め納得いかないのは、宇宙人の文字を解読することで決定された未来を見通せる能力を得るのが、なぜか主人公だけというところ。本来もっと多くの人、というか全人類がこの能力を獲得して、更にそれによって真の世界平和が実現されるという展開になるべきじゃない?(ただそうなると離婚も起こらずストーリーが成り立たなくなるわけですが) そうじゃなければ特に映画のラスト、エイリアンに対する攻撃が中止されたのはともかくその後どうして世界平和が実現(?)したのか、各国に送られたメッセージを繋ぎ合わせた結果得たものが何なのかも不明な気が(これは僕の見落しの可能性が大きいですが)。。。
まあそういったことも含めてもう一回観ないと気が済まない感じになっているわけです。


※6/21 追記: 再観賞して改めて冒頭の娘誕生から死に至るシーンはやり過ぎだと感じた。そこまであからさまにミスリードさせられるのは不公平というか観賞者を小馬鹿にしてる感すらあるし、何よりこの作品の品格を貶めていると思う。
確かにその『強制ミスリード』のおかげ(?)で1回めの観賞と2回めとでは全く違うかたちで楽しめ、ある意味2回観ることが前提のような作品になっているのだけど。。

ラストの解釈としては、エイリアンの文字を学んでいくことでいずれ全人類が未来を見通せる能力を身に付ける、ただそうなるのはもっと先のことになるのだろう(事実、エイミーが夫と離婚する原因となったのも、彼がまだその能力を獲得していないからこそだろうし)ということなんだろうけど、そもそもその能力ってどうよ?という疑問が。。。

あと、エイミー・アダムスについてはやはり年齢的・外見的な不満はあるものの、演技の素晴らしさはもう文句のつけようが無いほど完璧。それだけにあと5才若いときだったらなあ、と思わずにはいられない(笑)。失礼かもしれませんが(笑)。