休暇の終わり、怪我、そして

   

2週間の休暇が明けて日曜日にひとりペナンに戻ってきた。


後半は妻の実家でまったりとさせていただいた。

お母さんの作る手料理が、本当に美味しかった。


ところで高知に遊びに行った最終日に、死ぬかと思うぐらい海底に頭を打ちつけてしまい、首の筋から今まで聞いたこともないような、メメタアァアというジョジョ的擬音でしか表現できないような音がした。

以後、左上半身に寝違えたような痛み、左手が常に痺れているなどの症状が続いたため病院へ。

レントゲンの結果、頸椎間板損傷と診断される。脅すわけやないけど、と医者に言われ説明を受けたが、もうそのセリフが既に脅し。しばらくは薬飲んで様子見、とのこと。

怪我してから2週間ほど経過し、症状はかなり軽くなってきたが、肩のあたりの違和感と手、特に親指の痺れはなんだか嫌な感じだ。長時間のデスクワークは堪える。完治しなかったら困るな。


そしてペナンに戻ってきて入ってきた、川村カオリの訃報。

僕は実はSAICO鈴木彩子)の隠れファンで(なぜ隠す)、彼女のブログをちょこちょこ読んでいるのだが、その繋がりで川村カオリのブログを読んで(富士山登頂のエピソードだった)、ウチの子と同い年くらいの娘がいること、彼女が病に侵されていることを知った。

SAICOの日記にある、「惚れてまうやろぉぉ」のエピソードがすごく好きなんだけど、今読むと泣けてくる。

無断で申し訳ないけれど、以下抜粋。

コンビ名わからないけど
「惚れてまうやろぉぉ」
の芸人さんいるじゃん。。。あれ、、すごくわかるっ。

ちょっと前に
実際に体験した。

自分の二の腕に向かって
口を押さえて
「惚れてまうやろぉぉ」
とどんだけ叫びたかったか...。

川村さんちのカオリちゃんちにお届け物があって(家近い)
自転車で向かった。

「今外だから玄関に置いてって」とのこと。。。

「了解」

玄関に置いて帰ろうとして自転車にまたがった時に
帰宅したカオリちゃんに偶然会えた

「玄関に置いたよ」
と伝えると...

厳しい目で

「彩子!、、、この寒い日にその上着!!??
もっとあったかいの持ってないの??」

「ん--持ってない(笑)」

「あんたいつもその格好で自転車乗ってるの?」

「うん」


「ちょっと待っててっ!!」


目の前から消えた彼女が、次に現れた時には
手にふかふかのダウンのジャンパーを持っていた

「これ着て帰んな、、。」

風邪ひくからこれ着て帰って、、
これからも自転車に乗る時はこれ着て。。。って。

(T_T)


その後

感謝の気持ちを伝え、、きゃっきゃっやってたら

カオリちゃんがまた

鋭い目つきになり


「彩子、、、手袋してないの?」


「ん?あるよ!」と言って変なカエルの柄の

ぺらぺらな手袋を見せる私(かっちょわるぅ 笑)


「これじゃ全然防寒になってないじゃん!!」


そう言って、再び目の前から姿を消す

戻って来た彼女の手には

皮の赤い手袋。。。

「カエルのそれよりは温っかいだろうよ」

と。

保護者みたいに(;_;)


届けた物は

小さな水色の花

三倫

貰ったものは

ふかふかダウンとROYAL PUSSYの皮の手袋


わらしべ長者


カオリちゃんと別れ、家路に着くまでの間

夜の寒空の下

何度

「惚れてまうやろぉぉ」

を叫んだ事か、、。

次の日からは

自転車に乗る度に

寒さにがっちり守られ

「あったかいなこのジャンパー」

と温かさを感じ、、その度に

カオリちゃんの優しさを噛み締め

心も身体もあったかいってまさにこれっ!

気持ち悪いくらいニヤケながら

自転車こいだ


20分も乗ると汗ばんでくる位

あったかいジャンパーなの。

だからいつも

上半身だけ暑いの(笑)


最高にうれしかったんだ

まさに惚れてまうやろぉぉ

なんだ。

まぁずっと前からすでに惚れてるから

どこまで惚れさせるつもりやねん!!

かな(笑)


まぁ一応付け加えておきます。
人間として
友人として
です(笑)


最高だ


とってもとっても。



届けた花は

ブルースター

という花

名前の由来まではわからない...


カオリちゃんの愛娘が

その花を見て

「かわいい」

と言った

母が娘に言った

ブルースターって、、わかる? 地球のことだよ」


冬の寒い夜の路上

そんな二人を見て

ほんとにあったかくなったよ

   
     
この世界は、原則的に、残酷だ。


その残酷さというのは、子供が時折見せるそれと同じで、イノセントではあるのだけれど、結果としてそれは『残酷』以外の何者でもない。


そんな世界の残酷さというものを、改めて痛感した出来事だった。