ディアスポラ


ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)


グレッグイーガンの描く未来。


冒頭の孤児誕生シーンで何度も挫折しそうになったが、そこを越えると後はそれほど苦もなくスラスラ読み進めることができた。


ただ、話が進むにつれ5次元とか6次元とか出てくるとアウト。想像力の範疇を完全に超えていて、これは辛かった。


完全にデータ化した人類、あくまでも肉体にこだわる人類、そして全てを機械化し宇宙に進出した人類という3つのカテゴリーに分かれた世界。この世界観が素晴らしい。


あとこの物語にはいわゆる『悪者』が出てこない(そんなものは未来世界には存在しない)という点も素晴らしいと思う。


ストーリーは、中盤までのめくるめく展開が良すぎたせいか、後半はちょっと尻すぼみな感が否めない。と感じた。


しかしそれを差し引いても素晴らしい作品であったと思う。読んでよかった。
  
    



妻に薦める度 ★☆☆☆☆