舞城フェア

みんな元気。 (新潮文庫)

みんな元気。 (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

     
帰国した際にふと思い立って短編集2冊購入。
     
基本的に人が死んだり殺されたりバイオレンス描写があったりするのは好まないのだが、舞城作品はうーんもう仕方ないなー面白いし、という感じ。
      
今回読んだなかでいちばんのお気に入りは「みんな元気」に収録の表題作『みんな元気』。

舞城お得意(?)のファンタジー

いつものトンデモ展開の中に家族愛、兄弟愛、夫婦愛。愛の在りかたの不条理さというか不思議さというか、なんというか。いろいろと考えさせられる。

なんかもっとすっきりハッピーエンドにならないのかなー、みんないい人ばかりなのになーと思うが、みんな幸せに暮らしましたマル、ではやはり嘘っぽくなるんだろうな、とも思う。
    
    
あと「スクール…」の中の『ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート』。

こういうバイオレンスでグロいのは超苦手ながら、インパクトがあって心に残る一作となった。無力感。杣里亜の内面的描写が少なくて、どういう人かイマイチわからないのが唯一の救いだなと思う。