「屈辱ポンチ」 町田康

屈辱ポンチ (文春文庫)

　　　　　
初の町田康。表題作と「けものがれ、俺らの猿と」の2編収録。

保坂和志が解説を書いてて、まずそれを読んでから本編にかかったのだが、

これはちょっと失敗であったような成功であったような微妙な感じになった。

つまり、保坂さんがべた褒めしてる解説によって「町田作品は一見馬鹿げてるように見えて実はとても文学してるのだ」という先入観を植え付けられるわけです。先入観が全くない状態で一度読むべきだったのではないか、ということなのだが、これはこれで良かったかもしれない、とも思うわけである。

で、本編なのですが、表題作は主人公がなんでそんなに真剣になってるのか、その動機付けが弱い気がして、そこが気になりすぎた。面白いんだけどイマイチ入り込めない、そんな感じ。

「けものがれ…」は、もうこれはあれですよね、「世にも奇妙な物語」ですよね？

途中からペットのサルが連れとなるのだが、このサルがもう…。

僕は主人公に感情移入しながら読むタイプなので、このサルには本当に疲れました。。。